ブルーレイの音声をピュアオーディオで楽しむ

 ブルーレイにはハイレゾ音声が収録されている。ライブアルバムのジャケットを見てみると①LPCM(48kHz/24bit)とか②DTS-HD Master Audio 5.1CHと書かれているのがそれである。①は2CHの非圧縮データ、②は5.1CHの非可逆圧縮データである。
①と②の出力はブルーレイレコーダ側で設定できる。
 ②はAVアンプがあって5.1CH環境がある人は、ブルーレイレコーダーとAVアンプをHDMIで接続してそのまま視聴すれば映像とサラウンドによるハイレゾ音声が体感できる。ただし、音声は非可逆圧縮されているので、AVアンプ側でデコードしても完全に元の音声に戻すことは出来ず、劣化した音声ということになる。
 ①は5.1CH出力ではなくなるが、2CHの圧縮されていない高音質な音声が出力される。2CH環境でいいのなら、こちらの方が音質はいい。音質は、①もそうであるが、AVアンプ内臓DAC(LPCM→アナログ変換)の性能に委ねられる。


 では、AVアンプがない場合はどうだろう。映像はHDMIケーブルでテレビに接続し、音声は赤白2CH端子をプリメインアンプに接続することになる。この場合の音声はブルーレイレコーダの内臓DAC(お世辞にも優れているとは言えない)により、LPCM→アナログ変換されて出力されるので音質はそれなりであり、これはまさに私の環境である(笑)。


 本題である。時に①の音声だけをピュアオーディオで鑑賞したいと思うことがある。私のオーディオシステムで、①のみを再生するケースを考える。上記のこともあるので、ブルーレイレコーダの使用は無意味である。
 そこで考えたのが、LPCMデータをいかに再生するかということ。ブルーレイディスクからLPCMデータが抽出できると、それは完成する。実験ということでやってみる。
 まず、フリーのブルーレイオーサリングソフト「tsMuxeR」を使用してLPCMデータを抽出する。抽出したデータ形式は48kHz/24bitのwaveファイルである。ファイル容量は2時間ライブもので2GB弱。
このファイルをDVD-Rに焼き、そのディスクをTEAC PD-501HR(20Hz~80kHz)で再生する。DACが優れているので、まさにハイレゾピュアオーディオである。
 また、このデータを『AudioGate』でDSDデータに変換し、PD-501HRで再生してみる。ファイル容量は4GBくらいになる。音は周波数帯域が少し広くなったような感じで、DSD特有の空気感が味わえた。

 

 あとひとつ、優秀なDACがあった。CDプレーヤー(DENON DCD-1650RE)だ。

こ れには、最新型192kHz/32bitDACに加え、16〜24ビットの信号を32ビット信号にハイビット化する“Advance AL32 Processor”が搭載されている。LPCMデータを保存したUSBメモリを接続すればさらにアップコンバートされたサウンドが楽しめそうである。